ひばり児童合唱団は、きっと世界中のどの合唱団とも違う。他を知ってるわけではないのですが、そう思うのです。
皆川和子先生の強い志のもと、集う先生方、集められた曲の数々、支えるスタッフとおかあさんたち。そしてなにより子供達の歌声。これらが相まって『ひばり』の豊かさを作り上げてきたのでしょう。入団にいたって厳しい審査がないと聞いた時、それでは時に、おとなでもむずかしいハーモニーを作り上げるのに困るのではないですか?どうしても音がとれないような子はどうするのですか? との、わたしの素朴な問いに、皆川先生は、なんとかなるんですうって笑って答えてらした。
矢野顕子は、ひばりの歌声に自分の音楽の一部となってもらうことにした。その当時の子供達はもう立派な大人であろうが、レコーディングされたものの中の響きは、その時にしか得られない真に貴重な響きなのです。わたしが歌ってもらったものは、ちょっと変なメロディや言葉だらけだったにも関わらず、いつも意欲的にしかも楽しく取り組んでくださったのは、とても良い思い出です。
児童合唱団というのは、おそらく、いつも流動的であることを強いられるものなのでしょうが、その中心にはいつも皆川先生がおられて、これからも「ひばり」が羽ばたき続けるのを見守り続けてくださいますように。
(ひばり児童合唱団「創立70周年記念公演」プログラムより)